妄想と記憶

人生にくじける孤独な妄想と記憶

暑くて汗で首がかゆい。危ない。気持ちが乱れそうになった。思わぬアクシデントには気を付けないと。外の世界は危険がたくさん。いつものようにいかないとパニックになりそうになる。ふぅ…危なかった。まだまだ他人は恐い。


カフェに来てます。さっき先生とお話してきました。何だかまだ解決にはなっていないんだけど先生に正直に話してすっきりした気持ちになりました。強い信頼関係から生まれた特別な苦しみ。あのハグのひとも同じような苦しみを抱えるのだろうか。あのひとにとって先生はお母さんだという。僕にとって先生はお姉さん。しかも近所のお姉さん。とても優しいお姉さん。逆にハグして頭をなでてあげたい可愛いお姉さん。あのひとは頼りたい。僕は頼られたい。先生を信じたい気持ちは同じだろう。先生がいないと生きてゆけないのも同じ。先生が心の支えであるのも同じ。毎週近所のお姉さんとふたりきりで30分一緒に過ごせると思えば悪くないか。むしろ先生と会えない時間をどのように過ごすかが重要なのだ。現実世界が診察室と自分の部屋だけでは明らかに足りない。外に出るのだ。やはり先生に頼りすぎていたんだ。頼られたいなんていって実際は僕のほうが先生に頼ってばかりいたのだ。先生ほどの理解者には出会えないだろう。でもうそをつかずに話せるひとには会えるかもしれない。無理をしないで気楽に遊べるひとには会えるかもしれない。実際は医師と患者の関係で診察室という限られた場所で限られた時間であったとしても僕と先生のあいだでは純粋に人間と人間の関係で先生の部屋でお話しているのだ。そして内容が充実していれば時間は関係ない。実際の時間は30分だとしても僕らが感じる時間は2時間にも3時間にもなる。あのひとは先生とお話することで一週間外の世界でがんばることができるという。僕も仕事をしていたときはそうだった。先生とお話するためだけに生きていた。仕事を休んでいる今は外の世界から逃れて自分の世界に閉じこもっている。外に出なければならない。脳内世界は居心地がよい。でも現実世界にも出なければならない。僕らはふたつの世界で生きているのだから。


精神科→カフェ→ドトール。アイスオルゾーラテを飲んでいる。カフェではアイスカフェラテ2ショットとパンをお昼にした。もうさすがにホットは頼む気がしないな。先生は心の支えになっても自分を動かすのは自分自身なのだ。死を意識してストイックに生きる。


これからまた厳しい戦いが待っているだろう。考えたくないし考えないほうがよいのだろうけど現実だ。せめてその前に精神的に安定している必要がある。具体的に次の道に向けた行動を開始していなければならない。おれはやる。やるときはやるのだ。先生を心の支えにして。


先生と話し疲れるまでお話していたい。黙ったままの空気感を楽しんでからまた話したくなったらお話する。また話し疲れるまで。それを幾度となく繰り返しているうちに夜が明けていた。気付いたらもう夜が明けていた。『明けない夜はない』とどちらかが誰に言うでもなく静かにつぶやく。ふたりは話し疲れて眠っている。朝が来たのに眠っている。夜が明けたのに。