妄想と記憶

人生にくじける孤独な妄想と記憶

居場所がない。僕の居場所が何処にも見つからない。ここは僕の居場所じゃない。僕の居場所は何処かほかのところにあるんだ。ここじゃないんだ。一体僕の居場所は何処にあるのだろう。もしかすると何処にもないのかも知れない。そんなものはただ僕の頭のなかでつくられたものに過ぎなくて、実際に現実として存在するものではないのかも知れない。しかし僕は『僕の居場所』というものが確かにあるものだと思い込んでいる。探せば見つかるものだと信じている。僕は僕の居場所を探している。ここではない何処かにあるはずのものを。


今夜はおでこが痒くて苦しい。病気持ちはどんなときでも何処にいても、他人よりひとつ余計に苦しまなければならない。僕には他人のことなんて考える余裕がないのです。いつだって自分のことで精一杯で、自分のことさえろくにできずに毎日を過ごしているばかり。偽善者にもなれやしない。何もできないできそこない。早く先生に会いたい。先生と話すことしか意味を持たないような、それ以外のものはすべて無意味なような気さえしているのです。先生は僕の唯一の理解者であり心の支えなのです。先生が苦しんでいるから僕もこの苦痛に耐えようと思う。苦しみの種類は違っても苦しみは苦しみ。だから先生とお揃いで苦しむ。先生と一緒なら苦しみに耐えることができる。苦しみを知る者でなければ、ひとの苦しみを理解することなんてできない。だから僕らは苦しむ。ずっと苦しみ続けるのです。