妄想と記憶

人生にくじける孤独な妄想と記憶

変えることで僕は傷ついて結果として病状が悪化している。だから変えないで下さい。でないと僕は壊れてしまう。死んでしまうよ。


今日は昼まで起きれなかった。昨晩は椅子に座ったままうたた寝してしまったので、早めにベッドに入ったのだけど、先生のことで思い悩んで涙を流す有り様で、全然寝付けなかったのです。夢に中岡由佳さんが出てきて、少しだけ救われた気がしました。現実の世界に心の支えがなかったら、妄想の世界に心の支えを求めるしかないのです。
胃が痛くてたまらなくて、コーヒーが飲めずに熱いお茶を飲みました。先生のことがわからなくなってから、心理学の本を読んだりしています。どうやら僕に対して陰性の感情転移が生じているようです。僕は患者であって治療者ではないので、どう対処すればよいのかわからないし、何より傷つけられることに耐えることができません。もう何が何だか訳が分からない状態なんです。


胃痛が治まって食パンを食べた。二、三時間経って、また痛くなってきた。体も硬直してうまく歩けない。こんなに心の傷は深いんだよ。誰のせいで苦しんでいるのか知ってるの?僕は今まで通りになってくれれば、それでいいんだ。責めることもしないから、謝ってなんてくれなくていい。もとの元気な姿で笑って欲しいだけ。これ以上僕らの信頼関係を壊さないように。僕の心を傷つけないように。僕はずっと信じているから。


夕食は何とか食べられた。でもまだ痛む。それに加えておでこが痒い。心は胃痛よりもずっと痛いよ。何もする気にならない。もう死んでしまいたい。


もはや考える気力も失った…やっぱり僕のせいがいい。もう裏切られるのが恐いから、誰も信じられないよ。


忙しすぎて患者のことを考える余裕がないことは確かだろうな。クリニックを経営することが目的になってしまっている。本当は患者のために診察してくれる稀有な医者なんだけどね。医師不信の僕がここまで信頼できるひとなのに。以前は僕に愚痴をこぼしたりして、自分の気持ちを正直に話してくれた。僕がそれを聞くことで、先生の心が少なからず楽になっていたはず。先生のほうから先生が僕に聞いてほしくて話したんだ。僕は先生のお話を聞くのが楽しみだった。僕のことを信頼して話してくれていると思った。
ずっとそうしてきたから信頼関係ができた。先生が正直に話してくれるから、僕も先生の前では嘘をつかないでいられた。だけど急に先生は自分のことを話さなくなってしまった。ついこないだまでは当たり前のように話していたのに。何があったのだろう。何か理由があるに違いない。でも先生は黙ってしまったから僕には分からない。正直に話してくれないんだ。人は変わる。本当にそうなの?僕は変わらない。先生が今まで通りに正直に話してくれるまで、ずっと先生を信じて待ち続けるよ。疲れているだけなんだ、きっと。


今までやってきたことは間違っていない。だから僕は今ここにいる。今まで通りで変わらない。僕も先生もお互いの関係も。絶対に変わらないよ。変わるはずない。楽なほうに逃げちゃ駄目だ。僕はそこまで強くない。先生のためにできることは何でもしたい。だけどこれだけは譲れない。今までの関係を否定するようなことはできないよ。


先生は何が一番大切なことなのか見失ってしまっている。一番大切なものをなくしてはいけないよ。それはなくしたら二度と戻ってこないものだから。
相変わらずおでこが痒いけど眠ります。泣かないように。楽しい夢が見られますように。おやすみなさい。