妄想と記憶

人生にくじける孤独な妄想と記憶

今日も昼まで寝ていた。昼間なのに顔が痒い。やはりガーゼは駄目なのかも知れない。寝ているあいだに頭を掻いたと感じたけれど起きずにそのまま眠った。被害は意外なほど少なかった。だけど気持ちは落ちている。


久しぶりにヘッドホンで音楽を聴いたのだが以前より楽しめなくなってしまっている。まず疲れる。それにそこまで集中して聴きたい音源がないというのが致命的だ。スピーカーから小さい音で聴き流すのがちょうどいい。昔は音楽なしでは生きてゆけないという感じだったのだが…そしてヘッドホンやイヤホンに興味を持つようになった。今は何かをやりながら音がないと少し寂しいので音楽を流すに過ぎない。まあ普通に戻っただけなのかも知れないけど。イヤホンならまだ使う気にもなるんだけど僕は外耳炎になりやすいから躊躇してしまう。つくづく不便な体だと思うよ。何かを楽しみたいな。夢中になりたい。やはりもう『もの』では満たされないのだろう。つまらない毎日を無駄に消化しているだけ。
治まっていた痒みが再発してきた。眠りたいけど眠りたくない。寝ているあいだに掻きたくないから。治まっていた理由も再発してきた理由も分からない。奇妙な病気に殺される。本当は奇病で難病なのに真実は隠される。ステロイドを正しく使えば治りますだって?ふざけんじゃねーよ。


おでこからこめかみにかけてロコイドを塗ってガーゼをして寝ようと思ったら、ロコイドを塗ってすぐに痒みに耐えきれずに掻いてしまった。深爪のあいだに消しかすのような塊になった皮膚が入り込む。幸い血は出なかった。ティッシュでできるだけ拭き取って様子見です。しかしまた同じ過ちを繰り返してしまった…首から上にステを塗ると逆に掻いてしまうのです。知っているはずなのに何故何度も繰り返してしまうのか。それだけ切羽詰まって追い込まれているということだろうか。痒くてどうしようもないけれど、どうにかして痒みを抑えたいという切実な思いがこのような失敗をさせるのです。水で顔を洗おうかと思ったけれど刺激になりそうなのでやめておきました。結局痒くなったらおしまい。ただほっとくだけで、ひたすら痒みに耐えるしかないのです。
体はステロイドを使えばよくなる。だけど首から上はどうすることもできません。こういう患者はどうしたらよいのでしょうか。ちゃんと答えられる皮膚科医がどれだけいるのか。自分で自分を実験台にして自分で何とかするしかない。自分のことは自分が一番よく知っているはず。痒みを止めるあるいは痒くならないようにするにはどうしたらよいか。パターンが分かれば簡単なのだが。今のところ痒くなる原因はまったくつかめていない。この病気と向き合わなければならないのがたまらなく嫌です。本当は考えたくないし忘れていたい。だけど痒みがそれを許さない。痒みの感覚なんていらないのに。痛みだけで十分じゃないか。もう午前3時を過ぎた。どうでもいい。今日はほとんど24時間ずっと痒みに耐えている。さっき掻いてしまったけど、まだ痒みは治まらない。出口が見えない。出口なんてあるのかも疑わしい。まさに生き地獄だね…


午前5時14分。まるで掻くために寝たようなものです。まだ痒みがあるうちに寝てはいけません。別に一睡もできなかったとしても特に支障はないはず。掻こうと思って寝るわけではないのは当然のことなのですが、結果的に掻いてしまえば掻くために寝たのと同じことになってしまう。いくら僕は眠りたいから寝たといっても実際掻いてしまったのだから通用しない。寝るべきではなかった。自業自得。頭を掻いて起きたら久しぶりに被害が大きくて落ち込んでいる。せめて被害が小さければ精神的なダメージも小さくて済むのだが…はぁ…もう疲れた。明日は早起きしようかとかどうでもよくなってきた。眠りたいから眠る。起きたいから起きる。それでいいんじゃないか?だって朝まで眠れないのだから。仕方ないでしょ。僕は精一杯もがいている。それで駄目ならやっぱり仕方ないよ。