妄想と記憶

人生にくじける孤独な妄想と記憶

親戚の襲来にひとり自分の部屋に緊急避難。病気で休んでいることをカミングアウトできれば楽になるのに。そしたら普通にあいさつできる。でも世間体を気にする親が許さないから、こうして逃げるはめになっているのです。無職でもないし病気なのは仕方ないことなのだから、何も恥ずかしいことはない。僕は堂々としていたいんだけど、病気のことがタブーならば身を隠さねばならない。普通に仕事してますよ、今日は休みなだけですよ、なんて顔して自分に嘘を吐きたくないんだ。中途半端なのが一番嫌だ。病気で休んでいることを知ってもらった上であいさつするか、自分の部屋に閉じこもって怯えているかのどちらかしかない。情けなくなるな…何も悪いことしてないのに。


先生から僕に話したのだから、僕は余計なお節介をします。僕のことを理解している先生だから、僕がどのような考えを持つかはわかっているはず。僕は先生に助けを求められたのだと解釈します。全力で僕にできるだけのことをします。先生の代わりに、様々な方法をあらゆる方面から考えてみます。僕は先生のカウンセラー。先生の苦しみを一緒に共有します。


昨晩はひさしぶりに痒くならなかったのに、今晩はまたいつものように、おでこからこめかみにかけて痒くてたまらない。痒みのせいでDVDを見る気力をなくした。寝るわけにもいかない。けれども昨晩だって結局寝ているあいだに痒くなって掻いてしまったのだ。掻いた記憶がなかったから、朝起きて意外な惨状にショックを受けた。岡崎律子さんを聴いて何とか気持ちを落ち着かせる。こうしてわかりやすい症状が出ると、どうしても病気のことを考えずにはいられないからつらい。先生の苦しみを共有する余裕がなくなる。でも先生も苦しんでいるんだ。僕は自分の苦しみを抱えたままで先生の苦しみを一緒に共有したい。先生も僕の苦しみを一緒に共有してくれるかも知れない。お互いに苦しみを分け合ってお揃いの苦痛を味わうんだ。