妄想と記憶

人生にくじける孤独な妄想と記憶

もう終わりだ…最後にもう一度だけ。それに賭ける。もう話してもお互いに傷つけ合うだけかも知れない。だけどこのまま終わるのは嫌だ。もう誰も信じられなくなる。何かがおかしいんだ。誤解が確かに存在するはず。今の僕には先生が必要なんだ。先生が説明したとしても、僕は何の説明なしに急に変わったと感じたんだ。だったらもう一度、僕が納得する説明をするべき。これから医師に徹するならなおさらだ。僕も患者に徹しなければならない。そうなの?
先生は話すことが負担になると言った。いつも自分から話していたくせに。僕が聞き出した訳じゃない。自分が話したいことは話せても、話したくないことは話さないってことか。先生が話さないから、僕が聞いてるんだ。すると僕に拒否反応を示して、まるで被害者みたいな顔をする。僕が悪いの?別にみんな僕のせいでいいんだけどさ。謝られたってどうしようもない。先生のせいだとは思っていない。それなら僕のせいにされたほうがいいよ。卑怯だよ。僕が先生を苦しめているように思わせる。そんなに僕が恐いの?悲しい。泣きたい。死にたい。


感情的になってはいけないんだ。僕が来ないと思ってたようだ。何故?いつの間にか特別枠はなかったことにされていた。僕のためとかいって、結局は自分が僕に対する気持ちが変わったということ。だから自分のため。自分の都合でしょ?ただ謝るだけで納得のいく説明がない。僕の期待に応えられないって、自分の手に負えないってことか。今までのことは絶対に間違っていない。もう手遅れなんだよ。僕は先生に振り回されただけ。
とりあえず何が問題なのか。どうすれば関係を修復できるのか。落ち着いて考えよう。落ち着くんだ。僕は最期まで諦めないよ。先生の言ってることおかしいよ。矛盾だらけ。今までのことは事実なんだろ?今までのことと、今起きていることはまったく矛盾している。矛盾とか理不尽なことは絶対に許すことができない。誤解はそのままにしておくことはできない。先生にはたくさんの患者がいる。だけど僕には先生しかいないんだ。みんな僕のせい。先生は悪くない。僕のせいで先生は変わってしまった。自業自得か…近づき過ぎたのか。自然の流れに任せたつもりだった。自然体でいることが間違っていたのか。天国から地獄に突き落とされた気分。先生のポリシーってそんなもんだったの?やりたいけどできないのなら、まだ分かるんだけどね。変わったね…


いくら先生が悪くても責めると自己嫌悪になる。だけど僕だって深く傷ついているんだ。お互いに嘘をつけないから、うまくいかないのだろうか。うわべだけの関係で、嘘つきの関係で、それで見かけの上ではうまくいくかも知れない。でも僕も先生も嘘はつけない。これから僕の治療方針として、どのようにしていくつもりなのか。もう過ぎたことはどうにもならない。これからのことを考えなければならない。
もうお互いに傷つけ合うことはしたくない。先生をこれ以上傷つけたくないし、僕もこれ以上傷つきたくない。要するに普通の医者と普通の患者の、普通の関係になれってことなんだね。先生がそう考えるのなら、僕はそうするほかない。患者は医師の指示に従う。まあしばらく通い続けて、行きたくなくなったら診察の間隔を空けていくことになるだろうね。僕はあくまで自然体でいようと思う。先生に依存し過ぎた。期待し過ぎた。気付かないうちに先生の負担になっていたんだね。やっぱり僕のせい。僕のせいだよ。


何だか自分が馬鹿みたいだな。先生の気まぐれの感情に振り回されていた。でも今まで楽しかったよ。今があるのは先生のおかげ。僕の唯一の理解者であり、心の支えだった。これは事実。先生に出会えなかったら、今頃僕はどうなっていたか知れない。ありがとう。
これからは先生離れをしなければならないんだね。先生に甘えていたんだ。思い上がって調子に乗っていた。僕はこんなにひとを信じたことがなかった。だから気付かないうちに、先生に対して過剰に期待、依存して、いつの間にか先生の負担になっていたということだよね。ごめんなさい。先生のやり方にも原因があると思うけど、一番の原因は僕の心の弱さにあるのだと思う。重すぎるんだ。自然にまかせたのは、結果的には間違っていた。僕のせいだ。どうか弱い僕を許してください。


僕は僕ひとりで生きていけるように努力するよ。学生時代はひとりでも乗り越えてこれたのだから。先生とお話したことは決して無駄ではなかった。先生がもう僕に話さなくてもいいのなら、僕はもう先生の話を聞くということは期待しない。もう分かったよ。僕のせいなんだ。先生は何も悪くない。僕は弱い。強くなるよ、きっと。自分らしく生きて見せるよ。


話したことは僕の正直な気持ちだから謝らない。でも感情的になって、先生を傷つけたことは謝りたいと思います。


今まで本当に楽しかったんです。すごく支えになった。それは感謝しています。


やっぱり納得できねー。精神的な疾患があるとしか思えない。無理にいいほうに考えたって限界がある。どうしたっておかしい。でももうこれ以上話しても意味ない、どころか余計に関係が悪化するばかりだもんな。あーいらいらする。
本当はとことん納得するまで話し合いたいところだけど、可哀想な先生の怯えた姿は二度と見たくない。目の前でああいうの見せられるとすごい罪悪感なんだ。女の特権だよな。泣いたりさ。こっちのほうが泣きたいよ。もう僕にはどうしたらいいか分からない。何を話しても拒否反応を示されそう。もう何も話せない。薬もらうだけか…何処で間違えたのか。あの頃に戻りたい。


楽しいお話すら否定されたら、僕がクリニックに通う意味がない。僕は先生と楽しいお話をして癒されたいのだから。何でそこまで考えが変わったんだろう。人は簡単に変わってしまうものなのですか?置き去りにされた僕の心はどうなる。
完全に問題患者になってしまっている。僕が何をした。僕の気持ちがきちんと整理されて、自分なりに納得して落ち着くまでは、あまり何かを変えることはやめておいたほうがよさそうだな。ますますややこしくなる気がする。時間が必要なんだ。なんかクリニックの人達全員が敵に見えてきた。少し前までは居心地がよかった場所なのに。僕の居場所だと感じていたのにね。悲しすぎるよ…
僕が変わらなくても、先生は変わってしまった。もう何をしても無駄。僕にやれることはすべてやり尽くした。無力で弱い自分を思い知る。僕が悪いんだ。みんな僕のせいだよ。何を誤解している?変わってしまったんだ。ただそれだけ。ひとが変わっていくのを見たんだ。信じていたひとが変わっていくのを目の当たりにして、僕の心は深く傷ついた。ただそれだけのこと。もう手遅れです…


今夜も悲しくて眠れないよ。僕にとって本当に大きな存在だったんだ。そんなに簡単に諦めきれないよ。こうなってもまだ先生のことは信じている。馬鹿な男だね。先生は僕の心のなかにいる。でももう笑ってくれない。もう支えてくれないんだ。おやすみなさい。生きていても何もいいことないけど、とりあえず早起きできるようにしてみるよ。僕は変わらないつもりだったけど、こうなってしまったら変わらざるを得ない。もちろんいいほうに変わるんだ。