妄想と記憶

人生にくじける孤独な妄想と記憶

久しぶりに早起きして仕事をした。昨晩眠るとき不安感がひどくて、布団のなかで激しく貧乏ゆすりをした。それでもいつのまにか眠っていたようで、そのまま朝まで痒みで起きることもなかった。しかし疲れた…
そして通院日なので街に出ました。銀行と郵便局で用事を済ませてからドトールに来てます。アメリカンを一杯。診察時間まであと一時間、暇をつぶします。家を出るとき降っていた雨はもう止んだ。やはり通り雨だったんだね。雨だと余計に鬱になるから止んでよかった。僕は病気持ち。これからどう生きていけばよいのか思い悩んでいる。もう誰にも何も期待しない。自分にだけ期待する。


診察室でデパスとか…診察中も動悸がした。先生しか信じることができないのに、ついに本当に見捨てられた感じだ。もうこの話はしないと言ったのに、先生のせいで結局話すことになった。診察時間すべてが先生の話になったというけど、それは先生が話したからでしょ。決して僕が欲したからでなく、先生のほうから話したんだよ。僕はそんな重い話なんかしたくなかった。楽しい話がしたかった。だけど先生の役に立ちたいから先生の話を聞いたんだ。他の人にも話してるって、そんな馬鹿な。それこそ医師として失格だよ。
自分のせいだから罪悪感で苦しい?俺のほうが何倍も苦しいんだけど。他の病院を紹介するとかふざけるのもいい加減にしろよ。さすがの俺でも我慢の限界がある。僕は先生しか信じることができないから、何とかよい信頼関係に戻したいと思っているのに…僕だって苦しいけど逃げないで、ちゃんと先生に向き合おうとしているんだ。先生が逃げてどうすんだよ。ちゃんと俺に向き合う責任がある。先生が自分のせいだと思うなら。僕は自分のなかで気持ちを整理して区切りをつけようとした。せっかく区切りらしきものがついたのに。先生がそういう態度を取るのなら仕方がない。
とりあえず俺の前では嘘をつかないでくれ。もう何もかも正直に話してよ。先生の気持ちがわからない。僕は先生の前ではずっと嘘をついてこなかった。それは今でも変わらない。先生は卑怯だよ。このまま通っていれば、自然に先生のことが嫌いになれそうだよ。そうしたら厄介な患者がいなくなる。先生はせいせいするだろうね。やっぱり先生は変わったね…俺の大嫌いな医者になってしまうの?それが先生の理想の姿なの?


何処の病院に行って、どの医者に診てもらうかは患者の自由じゃないか。自分の手に負えないのならともかく、自分が都合が悪いからというのは理由にならない。逃げてるよ。放棄。俺は物じゃない。どうしてそんなこと言うのか、まったく理解に苦しむ。陰転したままなのかな。そこらへんはよく分からないから、考えても無駄だ。俺は疲れたんだ。これ以上傷付けないでほしい。もう絶対にこの話はしない。俺が壊れる。


僕が望むものは謝ることじゃない。罪悪感を持つことじゃない。今まで通りに戻してほしいとは言わない。もう無理だと知っているから。ただ僕が望むものは、自然に正直に心を開いてほしいだけ。先生は勘違いしてる。僕が何を求めているか分かってない。先生は僕のためといいながら、自分のためになっていることに気付いていない。僕は先生に依存していたかも知れない。だけど先生も僕に依存していたことを知らない。依存でなくても頼っていたことは事実。先生にとって僕という『人間』は何だったのですか?先生の本当の気持ちが分からないのです。


先生のことは許した。というより最初から責めてない。あの日のことよりも、あの日からの先生に対して理解できないのです。すべてなかったことにして、初診からやり直そうか。もう嫌だ。嫌なんだ。こんな話はもうしたくない。悲しくなるだけ。こんな悲しい話はもうやめて下さい。やめてくれ…自暴自棄になってしまうよ。何もかも嫌になって、自分さえ壊してしまいたい。そんな気持ちになってしまうから…


薬もらうだけでいいよ。あと自分の病状だけ話して、それで終わり。それが普通の診察なんでしょ?それでいいじゃないか。病院まで変えようとしないでよ。僕が何したんだ?僕のどこが問題なの?期待に応えられないどころか、普通に診察することもできないの?だからもう期待しないから。先生は自分が悪いというくせに、何故僕のほうが不利益を受けなければいけないの?本当に反省しているのなら、本当に僕のためを思ってくれるなら、僕を見捨てないで下さい。これ以上僕の心を傷付ける言葉を口にしないで下さい。それなら黙っていてくれればいいよ。


誰のせいとかどんな理由とか、そんなのどうでもいい。事実こうなってしまったんだから、もう何を言っても手遅れなんだ。もう聞きたくない!うんざりだ!


特別枠がなくなって、僕は特別な患者でなくなった。だから他の患者さんと同じように、普通に診察してくれればそれでいいんだ。罪悪感か…それは先生自身のことだから、僕がとやかく言えることではない。本当は自然にしてもらいたいのだが、今は普通に診察してもらえればいいよ。時間は必要だけど、僕が僕のままでいられるのは、僕が嘘をつかずに正直に話せるのは、やっぱり先生の前だけなんです。


今日は本当に疲れた。精神的にも。肉体的にも。仕事と診察の疲れ。街を歩いた疲れ。僕はもう何もかも疲れてしまったよ…