妄想と記憶

人生にくじける孤独な妄想と記憶

二日ぶりにおでこからこめかみにかけてのいつもの痒みが帰ってきた。化粧水をつけたら少しましになったような気がした。それでもまだまだ痒いので、ベッドに寝転んで眉毛をピンセットで抜いて整えることで気を紛らせた。眉毛を抜く痛みが痒みを中和してくれるようなイメージ。何とか患部に触れなくてもいられるくらいにはなってきた。伸びたひげを切る気力はない。身だしなみはどうでもいい。今はそんなことを気にする余裕がないのです。だけど髪は切りたい。短くすると気分もすっきりするから。もう髪を切りに行きたいと思ってから一月が経つ。アトピーの調子が悪すぎて気持ちも落ちているので、どうにか精神科に行くのがやっとという状態なのです。先生に会って先生とお話したいという欲求が、無理をしてでも街に出ようという気にさせる。
慢性的な寝不足と倦怠感。痒みに奪われた気力。無気力と無力感は似ているようで違う。何もできない毎日。気持ちが落ちているのはアトピーが悪化しているせい。悪循環からなかなか抜け出せないでいる。まだ痒みが治まらない。寝る前に痒くなくても結局は痒みで掻いて起きてしまったんだ。だから寝る前に痒くなってもならなくても同じか。痒くなったらおしまい。痒くならなくてもおしまい。僕はもうおしまいなのだろうか。まだ終わりたくない。このままじゃ死ねない。苦しむだけ苦しんで死ぬなんてひどいよ。これだけ苦しんだ分楽しんだっていいじゃないか。生きて楽しみたいよ。


午前二時半になります。やはり痒くなったらおしまいでした。まだおでこからこめかみにかけての痒みが治まらないまま、眠気に負けてベッドに入りました。何とか掻かないように耐え続けたのだけど、おそらく眠気のせいでだんだん意識が遠のいていくうちに耐えきれなくなったのでしょう。こめかみのあたりを掻いておでこを掻いてもみあげのあたりを掻いて頭を掻いて起きました。もみあげのあたりと頭はこのとき痒みが発現しました。おでこからこめかみのあたりを掻いたことによって潜在的な痒みが誘発されたのだろうか。頭を掻くと精神的なダメージが大きい。惨状がひどくなるから。頭だけは本当に掻くことがなくなってほしい。今晩はましなほうだと思うことにします。
最近僕がよく言及している潜在的な痒みが誘発されるという説ですが、本当のところはよくわかりません。それにこの説が正しいかどうかなんてことはどうでもいいことです。僕は痒くならないようになりたいだけなのだから。それでは何故この説にこだわるのかというと単純にそんな気分だからなのでしょう。気分次第。だからそんなに意味はない。ただ今はこの考え方が好きなだけ。ただ言いたいだけなのだと思う。
痒くなったらおしまいというのも最近多用している言葉なのですが、本当にそうですね。どうしたらいいのでしょう。痒みが治まらないうちに寝たら確実に掻いて起きます。となると痒みが治まるまで寝てはいけないということになる。しかし痒みはそう簡単に治まるものではないし、どうしたって眠気はやってくるものです。つまり眠くて寝たいけど痒みが治まらないから寝られないという状態になる。今晩のように眠気にまかせて痒みが治まらないうちに寝ても、結局は痒みに耐えきれずに掻いて起きて眠いのに掃除までしなければならなくなる。さらに精神的なダメージも受けることになります。やはり理想的なのは痒みが治まってから寝るのがよさそうです。
しかし痒みがいつ治まるかは誰にもわかりません。朝まで治まらないかも知れない。あるいは掻くまで治まらない可能性も十分考えられることです。結局は気分次第。そのときの自分次第ということになるだろう。自然にまかせるしかない。いくら考えたって答えなんか見つからないのです。だから今晩の選択は結果としては失敗だったかも知れないけれど、選択自体は決して間違っていなかった。眠いから寝ただけのことです。至極当たり前のことをしただけ。僕らは病気だからこうなってしまった。健康なら普通に朝まで眠れたはず。結論としては僕が病気だからいけないということになるのでしょう。最後にようやく結論が出ました。おめでとう。さようなら。


もうすぐ五時です。ははは…笑っちゃうよね。手を掻いて血とかさぶただらけ。顔が痒くて眠れず頭を少し掻いたので、しばらくの間そのまま寝ていたのだがやはり起き上がった。起きたのは四時半くらいか。千奈美に寝ているあいだずっと痒みと格闘していたのだが、実際に眠りに落ちた時間がどれだけあったのかわからない。半分眠った状態なのかな。だから厳密にはゼロといっても過言ではないのかも知れない。一度掻いて起きてまだ掻き足らずに二度起きたということなのか。何で急に手が痒くなるんだ。もうすっかり外は朝。寝れないんだけどどうしたらいいんだろ。早めに起きれば寝不足になるし昼まで寝てれば生活のリズムが狂っていく。当たり前に眠りたい!近いうちにまた発狂してしまいそうです。泣きたいよ…