妄想と記憶

人生にくじける孤独な妄想と記憶

昨晩は手を掻いて起きた。顔や頭は無事だった。手に巻いた包帯が血だらけでほどけてしまった。割れている箇所にザーネを塗って包帯をしただけなのに。包帯で蒸れてしまったのだろうか。
だけど今頃顔が痒い…頬に黄色い汁の凝固したものがある。気付いたら皮がめくれている。寝ているあいだに掻かなくて済んでも次の日の昼間に痒くなる。まあこのくらいの痒みなら耐えられるけど気力をなくす。何もかもどうでもよくなる。無理にでも前向きに考えてできるだけストレスを少なくしたい。これで気持ちを落としたらずっと悪循環のままだ。ストレスによってこれ以上悪化することを避けるようにする。なるべく症状が最小限になるように。痒くなってもおしまいじゃない。痒くなっても大丈夫なようになれたらいいと思う。


午前1時24分になりました。お風呂から出てしばらくしたらこめかみの辺りが痒くなってたまらず氷で冷やしました。そのあと今度は頭が痒くなって何とか耐えていました。だけど結局顔と頭を掻いてしまいました。いつもと違ってベッドに寝た状態でなくベッドの上にあぐらをかいた状態です。ティッシュを敷いていたので掃除は簡単でした。痒みから痛みに変わりました。体よりも心のほうが痛い。どうして痒くなってしまうのだろう。もう将来のことなんて考える余裕はありません。今の痒みに耐えることで精一杯です。このままじゃ仕事できないとか考えたって自分を追い詰めるだけで何の意味もないのです。考えてどうにかなるものでなし、どうにもならないことは仕方ない。大切なのはここで気持ちをなるべく落とさないようにすることです。
やはり今は療養に専念するしかない。余計なことは考えずに病気とだけ向き合って闘っていくことが正しい道なのだと思います。まずは病気がよくならないことには何も始まらないのだから。順番を飛ばして無理をしても長続きするはずがない。すぐにつぶれてしまうだろう。今生きているのだから、それでよいのです。先のことなど誰にも分からない。実際僕らが生きているのは未来ではなく過去でもなく現在なのです。だから今のことだけを考えて生きていればいい。先のことを考えて無駄に苦しむことはもうやめます。周りに惑わされずに僕は先生と一緒に今を生きていきたいと思います。


現在午前3時3分。顔と頭を掻いて起きました。残骸を片付けてこの時刻です。まだ痒みの残っているうちに寝てしまったので当然といえば当然のことです。もうすでに寝る前に掻いてあるので被害は少ないほうでした。顔から水が出ている。後頭部がヒリヒリと痛む。この猛烈な痒みの原因は一体何なのですか。どうしてこんなに苦しまなければならないのですか。罪を犯して罰を受ける。僕は何ら罪など犯していないのに罰を受けているのです。何故なのでしょうか。この状態で気持ちを落とさないのは不可能に近い。だからなるべく落とさないように頭のなかを無にします。何も感じないように。何も考えないように。
先生のことを思い浮かべて僕はひとりではないと孤独感を和らげる。ひとりじゃないと思えることは生きていく上で大きな力になります。病気は孤独な闘いです。だけど孤独感が少しでも薄れる『先生』という存在は強力な武器となり得るものだと思うのです。現実には孤独にひとりで闘っていても脳内では僕は先生と共に闘っているのです。先生と脳内で繋がることで僕はこの苦痛に耐えて生きていくことができる。先生がいるから僕はこうしてまだ自分の可能性を諦めずに期待して前を向いて生きていこうと思えるのです。