妄想と記憶

人生にくじける孤独な妄想と記憶

(昨晩記録されたはずの脳内日記)
今日は昼間も痒かった。そして寝る前の今の時間も痒みに耐えている。眠いけど眠れない。ガーゼで覆うのは翌日まで痒みを残すだけであまりよい方法ではないようです。やはり痒くなったらおしまい。どうにかして痒くならないようにならないと生き地獄から抜け出すことはできない。昨日の夜からずっと痒みから解放されず気が狂いそうです。痒みを痛みに変えてさっさと寝たほうがよいのだろうか。やはり掻かずに済むのならそのほうがいい。
結局ガーゼで覆っている。おでこからこめかみにかけて。どういう訳なのか一時的には確実に痒みが楽になる。ガーゼを付けたまま寝るのはまずいのだと思う。このまま痒みが治まって寝ても大丈夫なくらいに落ち着いたら、ガーゼを取って眠りにつく。そううまくいけばよいのだけど。氷で冷やすのは気が引ける。もうさすがに寒くて冷たい思いをするのは嫌だ。せっかく冷やしても結局また痒くなって掻いてしまう結果になる可能性が高いし。とにかく痒みがあるうちは眠れない。掻いて起きて掃除をするはめになるだけ。痒みが落ち着くまで電気は消さない。病気だから仕方ないのです。


(昨晩記録されたはずの脳内日記)
手のパックリ開いた傷にザーネを塗って包帯を巻きました。ようやく塞がってきたと思ったら新しい傷から血が出ている。とりあえず大きな傷を塞ぐことを考えます。ひとつずつ傷を癒していくしかないのだから。
電気をつけたままベッドに横になっている。このまま眠ってしまわぬよう気を付けて。部屋に小さく流れるスミスに耳をすませながら…おっと危うく眠りそうになりました。やはり眠気がしている。現在午前1時37分。眠気が限界に近い。早くガーゼを取って寝たい。


死を意識しないと平静を保つことができない。どうせ死ぬんだからと自分に言い聞かせている。もう少し仮眠したい。現在午前6時24分。先生の存在を強く思う。


今日は早起きできなかった。あんな時間に痒くて掻いて起きたら無理です。これは怠けですか?そして今夜も痒くて久しぶりに氷で冷やしている。暖かいブランケットにくるまって顔に氷たっぷりの冷たい氷のうを当てる。何ともこっけいな姿です。さすがに限界が近い。そのうちまた発狂するに違いない。痒くない時間のほうが短い。こんな生き地獄に耐えなければならない意味が分からない。理由があるならいくらか納得できる。しかしこれだけの苦痛を強いられる理由なんてどこにもない。僕は人間です。人間らしく生きる権利があるはず。もう疲れた。痒くない当たり前の生活を下さい。物は何もいらない。先生に会いたい。今すぐに会ってお話したい。手が冷たい。冬に氷はきつい。生きる気力がなくなる。欲もなくなる。もう何もできない。やりたいこともないから早く死にたい。死んだら先生に会えなくなるのが残念だな。