妄想と記憶

人生にくじける孤独な妄想と記憶

(昨晩記録されたはずの脳内日記)
現在午前3時40分。まだ眠れていない。痒みから気を紛らせようとヒゲをハサミで切りました。ようやく痒みも気にならなくなって寝ようとしたのですが、すぐに顔を掻いてしまって起きました。実は寝る前に少し汁が出て赤くなっていた顔にロコイドを塗ってから寝たのです。やはり僕の場合は首から上はステロイドはつけないようにしたほうがよさそうです。水が出ました。血も出ました。血で赤く染まった皮膚の凝固したものが爪の間に挟まり、挟まり切れずに落ちた皮が枕元に散らばりました。ティッシュで水と血を拭き取りました。ついでにこめかみからおでこの辺りも少し掻きました。ここにはロコイドはつけていません。痒みが広がったものと思われます。
僕は標準治療から外れてしまったようです。薬をつけると逆に掻いてしまう。見捨てられたほうの患者になってしまいました。もうステロイドやプロトピックをつけるのはよそうと思います。たまに魔がさしてしまうので気を付けたい。僕はどうしたらよいのでしょうか。ステロイドで症状をコントロールできる患者がほとんどだとしたら、僕のような患者は例外として存在を認められず見捨てられることになるのではないか。そのような患者に対する治療については今のガイドラインに記載されていないのだから。普通の皮膚科医はガイドラインに沿って診察を行っているのですから、ガイドラインに載っていない患者の治療法など分かるはずがない。存在を否定された患者ですから見て見ぬふりをするのでしょう。体はステロイドでコントロールできているのに。厳しい現実を突き付けられた思いがします。過酷な生き地獄は死ぬまで続くのでしょうか。


完全なものなんてない。完璧主義者から脱却しよう。適当でいいんだ。気持ちが楽になるような考え方をする。完全を求めても疲れるだけ。まあいいかと前向きに諦めたほうが楽しく生きられる。今は難しいかも知れないけど、意識しているうちに少しずつ慣れてくるはず。すべては自分の脳内で起きていること。脳内をうまくコントロールして、なるべく生きることが楽になるようにできたらいいと思う。みんなそれなりでいい。生まれ変わることはできない。だけど変わっていくことはできる。