妄想と記憶

人生にくじける孤独な妄想と記憶

通院日なので街まで出てきました。いつものカフェに来てます。クルミとピスタチオの入ったパンとラテでひとりランチ。馴染みの店員さんと言葉を交わして気持ちが少しずつ上がってきました。外はかなり寒い。陽が出ているのにこれだけ寒いのだから本格的な寒さなのだと思う。吐く息が白い様を見ました。ダウンジャケットを着たらもう他のアウターを着る気が失せました。一度着てしまったらもう最後。この暖かさに勝てるものはありません。今年の冬は本当に寒いのです。久しぶりにボストンバッグを提げてきたら右手が凍り付きました。普段は手ぶらなので両手をポッケに突っ込んで歩きます。通院日は荷物があるので少し不便です。鼻水が出てきました。寒さのせいか鼻炎のせいか。先生とのお話を楽しむために準備は整っている。予約時間までまったりと過ごします。やはり平日は平和です。僕の居場所。心が落ち着きます。


鼻水が止まらない…くしゃみも出る。これは確実に鼻炎です。水のように滴ることから容易に判断できる。カフェ→精神科→ドトールで帰ります。やはり鼻水が出ると頭がボーッとして働かない。先生とのお話にも少なからず悪い影響を与えた。感情が鈍くなって高揚感が生まれなかった。本当はうれしかったり楽しかったりするはずのものが、頭が鈍感になっているせいで気持ちの上がり下がりのない淡々としたものになってしまったのです。こういう時に限って…というのはよくあること。仕方ない。不運にも恵まれない条件の中で最大限のことはできたと思う。いつもよい条件であるとは限らない。悪条件なら悪条件なりに最善を尽くすだけ。
とりあえず先生からの依頼は完了しました。新しい依頼はもらえなかったし、お手伝いの話もできなかった。今回の依頼に関係したものが欲しいと言われたので、次の診察までにまとめて資料として作っておく。これが新しい依頼だということにして自分を納得させる。手探りで作ったけれど先生の求めるものになっていたようで安心した。方向性は間違っていなかったようです。冷静になって考えてみればすごいことなのではないだろうか。先生の僕に対する信頼感は上がったと信じたい。とにかく喜んでもらえた。先生の役に立てたのです。素直にうれしさを噛みしめたいと思う。


寝る前になってようやく鼻水が止まったようだ。苦しかった。頭がボーッとなって具合が悪くなった。やはり風邪ではないようで安心感。頭が痛みはないけれどすっきりしないので、お風呂上がりにデパスを4錠飲みました。体調が悪いと気持ちまで落ちてくる。少しずつ上げていって低めで安定させる。
今日は一番たいせつなひとに喜んでもらえたじゃないか。誉めてもらって感謝されて、きっと役に立つことができたんじゃないか。もっと自信を持つんだ。僕は先生のためにもっともっと役に立ちたいと思う。今回の依頼によって信頼されれば、次は先生のほうから新たな依頼を持ってきてくれるかも知れない。僕はたいせつなひとのために何かがしたくて、実際今回依頼というかたちでその何かができたのです。自信を持っていいはず。先生の役に立つことができる価値のある人間なんだ。誰にでもできることではない。僕は変わった患者だからできるのです。きっと自信を持って生きていける。僕はまだ死んでいない。最期までちゃんと生き抜いてみせる。