妄想と記憶

人生にくじける孤独な妄想と記憶

意地で早く起きた。街に出かける。気持ちは落ちている。昨晩寝直したら今度は顔を掻いてしまった。記憶にないのに左の頬が血まみれになっていた。無意識下のことはどうしようもない。意識があるときであれば自分を責めることもできるけれど。気持ちの上がるきっかけは期待していない。もうどうでもいいんだ。気持ちなんて上がらなくても構わない。眠い…質の悪い睡眠しか取れない。家にいたくないから外に出るだけ。期待なんて何もない。


ドトールに来ている。ミラノサンドCとアメリカン。駅前の偽善者達が鬱陶しい。他人のため?自分のため?お金はどこへ行くのか。疑、疑、疑。どうでもいい。外は眩しいほど明るい。僕は死んだように街を歩く。自分の世界に閉じこもる。


いつものカフェに来てます。クロワッサンとラテでひとりランチ。食欲がなくなっている。食後のレキソタンも意味がないような気がする。何もかも意味がない。何をしても無駄。眠気と生き地獄のせいで罪悪感もない。心に余裕がない。人が怖い。もう少し遅く来てもいいかも知れない。クロワッサンがなくなったらラテだけでいい。そこまで必死になることもない。必死になっているつもりはないけれど。人が怖かっただけなんだ。開店前に人が集まっているのが怖かった。集団恐怖。その場から逃げたかっただけ。もうリスクを負うのはやめておく。
僕はどこにもいてはいけないような気がしている。自分でそう思い込んでいる。思い込んでいるだけだと知っているけれど、思い込んでいるからそうだとしか思えない。無理をしている。自分の気持ちを制御できない。何が欲しい?何がしたい?分からない。自分で自分が分からないんだ。ただ怖いんだ。他人が。人が。人間が。不安なんだ。傷付くのが怖い。自分の殻に閉じこもりたい。昔の弱い自分に戻るのか。ここは自分の居場所ではなかったのか。自分の存在が許される居場所であったはずではないか。安心していいんだよ。心を落ち着かせるんだ。ここは僕の居場所だ。何も心配はいらない。先生のことを考えようか。デパスを飲もうか。…デパスを2錠。レキソタンを1錠追加。薬に頼っている。依存している。逃げている?苦しいことから逃げたっていいじゃないか。逃げられるのなら逃げてもいい。病気からは逃げられないのだから。もうどうでもいいんだ。


今日に限って帰るときもクロワッサンがまだ余っていたな…テイクアウトのハプニングはむしろ好都合だった。店員さんと言葉を交わせたから。寂しいんだろうな。やっぱり。ひとと繋がりたい。共有したい。お話ししたい。ひとりは寂しい。ひとりはつまらない。
先生といつになったら遊べるのかな。期待はしない。でも楽しみにはしてしまう。約束された楽しみ。だけどずっとお預けのまま。僕からは催促する訳にいかない。あくまで先生次第だから。僕はそれをただ待っているほど愚かではない。そのときを楽しみにがんばらなければならない。先生とお揃いでがんばるのだ。ストイックに生きる。自分が格好いい生き方をしていると思えば、自分に自信が持てるし自分を好きになれる。快楽は必要最低限でよい。苦痛に耐える合間に少しの楽しみがあるんだ。楽しみは少ししかないけど、心がどのくらい満たされるかは自分次第。『寂しい』という気持ちに気付けただけで、今日無理をして街に出た意味はあったと思う。本当に?意味はあったということにしておきたい。


今晩も現実逃避。現実から逃げたままで朝まで眠りたい。今度こそ。おやすみなさい。