妄想と記憶

人生にくじける孤独な妄想と記憶

時間に余裕があると行動が遅くなってしまうな。これは普通か。今日は先生に会える。今週はこのためだけにがんばってきた。体調は悪くない。疲れは残っているけど。気持ちは落ち着いている。悟りの境地に達したい。前向きな開き直り。諦めと妥協。先生はがんばっている。僕はよくやっている。最近多用している言葉。言葉は力を持つ。すべては自分の脳内で起きている。


眠い…僕はよくやっている。自信を持っていいんだ。いつものカフェでひとりランチをしてから先生に会いに行く。ひどく疲れている。また体重が落ちている気がする。


いつものカフェに来ました。眠気がひどくて倒れそう。店員さんとあいさつを交わす。頭が回らなくて言葉を探すのに苦労する。先生との約束の時間までにはどうにかしたい。ランチを食べたらより一層眠くなりそうだな…海老と卵のサンドイッチのランチセットとラテでひとりランチ。食後にピンクのレキソタン。眠い…


クリニックに来たら待合室に患者がたくさんいて、何だか息が苦しくなってしまったので、事務のひとに断って外に出てきた。音を出してゲームをやってる奴とか、戦争の話をする車椅子の老人とか、とにかくもうそこに座っていることが耐えられなかった。人が他人が怖いのだろうか。狭い空間に人が多くいるのが苦痛なのか。こんなことでデパスは飲みたくない。クリニックは僕の居場所のはずなのだから。仕事をして無理をしている影響が出ているのかな。いつものカフェで店員さんと言葉を交わして癒されたのに。どうしたのか自分でも混乱している。上の階の図書館で椅子に腰掛けて気持ちを落ち着ける。そろそろ人が減ったかな。もう少ししたら戻る。先生に会いに行く。


ふぅ…癒された。すっかりテンションが下がってしまっていたけれど、先生とお話ししているうちに心が軽くなった。ふと気付いたらそうなっていた。音を出してゲームをしていた奴は、診察を終えるとすぐにまたゲームを始めた。ゲーム中毒なのか。耳を押さえたくなった。もう少しで注意するところだった。理性でどうにか気持ちを抑えた。おそらく病気だから仕方ないとはいえ、周りに迷惑をかけてはいけないと思う。心に余裕がないと感じている。クリニックは僕の居場所。その待合室で発狂寸前になるなんて普通なら考えられないことだ。普通じゃなかった。いつも通りじゃなかった。環境が。僕の心が。
先生からもらったうれしい言葉を、何度もかみしめるように脳内で再生する。エンドレスリピート。それを支えにして苦しみを乗り越える。僕には先生がいる。僕はひとりじゃない。僕はよくやっているという言葉に、先生は「ねー。」と同調してくれた。やっぱり僕はよくやっている。先生が認めてくれたんだ。うれしかった。お互いに癒される理想の時間だった。これでまたがんばれる。次回は土曜日になった。その日のためだけに僕は生きる。