妄想と記憶

人生にくじける孤独な妄想と記憶

久しぶりに騒音で目が覚めることなく朝まで眠れた。だけど寝ている間に掻いた形跡が看過できないもので落ち込んだ…病気だから仕方ない。どうせ死ぬからどうでもいい。今日は先生に会える!いつものカフェでいつものひとりランチをして、店員さんと言葉を交わして、そしてクリニックで先生とお話をする。先生とお揃いの楽しみ。このためにお揃いの苦しみに耐えてきた。楽しもう。現実を忘れて今を楽しむ。現実から逃げる訳ではない。一時的に脳内から消去するだけ。今日のことだけを考える。楽しいことだけを考える。


外は日差しが暖かいが、風は冷たい。バス停で高速バスを待つ。鬱が悪化してから物欲も醒めてしまったようだ。物を買うにも気力が要る。でも気分は意外と悪くない。あまりに悪いことが重なり過ぎると、逆に開き直ることができるのだと思う。泣きたいのを通り越して笑ってしまう感じ。前回先生はそんな状態だと言っていた。今回は僕がそんな状態だ。ひどく疲れている。トラウマ発症と一日勤務と騒音。かててくわえてアトピーの調子も悪い。スケジュールに縛られると苦しくなる。あれはあくまで案でしかない。後半は臨機応変に行くという話だったはず。自分のことは自分が一番よく知っている。自分の身は自分で守らなければならない。僕はよくやっている。僕はまだ死んでない。こんなとこで負けてられないんだ。


いつものカフェに来てます。アパートからここまで直行。海老と卵のサンドイッチのランチセットとラテでひとりランチ。眠い。もうすぐ先生に会える。お揃いの楽しみまであと少し。平日はすいてるな…と思っていたら、6人組のおそらく主婦の集団がやって来て、僕は席の移動を余儀なくされた。もうカフェを出なくてはいけない時間だったので全く問題でなかった。無理矢理勝手にテーブルを動かしていて、店員さんも驚いたと言っていた。集団心理だろうか。少し急いでランチを終えてクリニックに来ました。僕の二番目の居場所から僕の一番目の居場所へ。贅沢な一日だね。こういう時間のために生きているんだ。


新しい鞄を買った。ふたつの鞄で迷ったけれど、最期にひとつに決めた。選択は間違ってないと思う。これから使い込んで自分のかたちにしていきたい。基本的には鞄は使わず手ぶらで歩く。そのほうが気が楽なんだ。配色と形と扱いやすさで選んだ。長く付き合っていけたらと思う。


先生、先のことは分からないよ。明日のことさえ。先のことは考えたくない。分からないから不安になるんだ。ひとは少しずつ変わる。ずっと同じものなんてない。いつまでも変わらないものなんてない。僕だってそうだ。どうなるかなんて自分でも分からない。ただその日一日を死ぬまで重ねるだけ。先生、先生がいなくなったらなんて考えたくないよ。先生と会えなくなったら、お揃いの楽しみがなくなってしまう。先生、僕は先生なしで生きていけるのかな。先生が僕のなかにいる限り大丈夫なのだろうか。だけど死ぬまで先生と関わりを持っていたいと思う。いつまでも先生と繋がっていたいと思う。どのようなかたちになろうとも、僕らの信頼関係は永遠であって欲しい。今の僕は先生の存在を支えにして生きていくしかない。先のことは分からない。先生自身はきっと変わらないだろう。僕自身もたぶん変わらない。