妄想と記憶

人生にくじける孤独な妄想と記憶

朝目覚めるとにわかに信じがたい光景が広がっていた。昨晩寝る前に薬をつけていたら、ベッドに座ったまま寝ていた。半分眠ったまま顔の痒みに耐えきれずに掻き出した。すぐにベッドから降りてごみ箱の上で一通り掻いた。おでこと眉毛の辺りと両方の頬。血と黄色い浸出液が出た。ティッシュで拭き取ってすぐに寝た。あまりに眠気がひどかったから。そして起きたら久しぶりの惨状。地獄絵図。寝ている間に頭をかなり掻いたようです。記憶はないけれど形跡が残酷な現実を突き付けていた。朝デパス6錠。ピンクのレキソタン2錠。昼デパス2錠。レキソタン1錠。脳内をぼやかさないと動けない。よりによって今日は髪を切る予約を入れている。迷ったけどどうせ死ぬからどうでもいいと思った。
いつものカフェに来てます。えびたまとクロワッサンとラテでひとりランチ。僕の居場所。心が落ち着いてきた。眠いのは疲れているからか、眠りの質が悪かったせいか、それともお薬を飲み過ぎたせいか。先生からもらったお守りに頼っている。やけ酒みたいにやけ薬のようなことをしている気もしている。だけど仕方ない。そうしないと生きられないのだから。病気持ちなりに僕はよくやっている。病気に支配されたくない。負けてられない。これからもストイックに生きていく。


ストイックに生きる。先生とお揃いになる。僕はよくやっている。自信を持っていい。僕は病気持ちのエリート。


どうにか髪を切ることができた。12月だからかとても混んでいた。やるべきことは早めに片付けてしまうのがいい。後回しにすればするほど追い込まれて苦しくなる。『どうせ死ぬのだからどうでもいい』という考え方は、自分を動かすのにかなり効果的だと感じる。自暴自棄。ヤケクソ。疲れた。適当に生きる他ない。先生は今日もがんばっていた。僕も先生とお揃いでがんばる。


雨が降らなかったからかなり助かった。それだけでも幸運だった。僕は今できることを、できるだけ、なるべく、それなりにやればいい。それで許される。先生が誉めてくれる。休んだら無理をする。また休んだらまた無理をする。


眠くて眠くて倒れそうな程で、とてもひげを切る気にならない。明日は夕食もお風呂も早く済ませて、時間的にも精神的にも余裕を持ってひげを切れるようにしたいと思う。やはり日曜の夜しかない。余裕のある日なんかありはしない。昨晩は痒かったし…今日は髪を短くした。やるべきことはちゃんとできた。もう疲れてしまった。せめて夢のなかだけでも楽しい気持ちになりたい。何故こんなに眠いのだろう。異常な眠気。先生おやすみなさい。