妄想と記憶

人生にくじける孤独な妄想と記憶

いつものカフェに来てます。
聞きたくなかった…ずっと知らないでいたかった。知らないほうがよかった。先生ずるいよ。自分だけ幸せになるなんて。確かに先生には幸せになって欲しいと思う。だけど今の僕は素直に祝福する気にならない。仲間?味方?こちら側の人間だと思っていた。先生には僕の他に頼れる人がいる。僕なんかいなくても生きていける。先生のなかの僕は何だったのですか。やっぱりただの患者に過ぎなかったのですか。もうお揃いの苦しみにはならないね。だって先生は幸せになったのだから。僕は死ぬまで苦しむんだ。僕は先生がいるから生きている。そう思えたのは先生も僕と同じように苦しんでいるから。先生さえいればそれでいい。先生は『もうひとりの自分』だったのかも知れない。もうひとりの自分ががんばっているから、もうひとりの自分が苦しんでいるから、もうひとりの自分が無理をしているから。だから僕も同じようにがんばって、苦しんで、無理をした。


ショックだな…やっぱりショックだよね。裏切られた気持ち。今日僕が先生に話したかったことが、すべて価値のない無意味な絵空事に思えた。だからもうそれ以上何も話せなかった。結局はひとり。僕はひとり。ひとりで生きていかなければならないんだ。先生に甘えていた。僕のなかで先生の存在が大きくなり過ぎていた。僕は置いてきぼりを食らった気分です。先生は旅立って行ってしまった。何処か遠い所に行ってしまった。残された僕は途方にくれている。これからどうして生きていけばよいのか。僕にしかできないことがあれば先生の役に立ちたいと思う。それは変わらない。あくまで僕にしかできない、僕だからこそできること。他の誰にもできないこと。そんなことがあるとしたら、僕は生きる価値があると感じることができる。先生に少しでも必要とされるのなら、まだこれからも僕は先生の存在を支えにしていける。理解者?心の支え?もうそんな風に思うことはできないかも知れません。僕は先生の前で嘘はつけない。素直に僕の気持ちを伝えるつもりです。


誰かに必要とされたい。誰か僕を見つけてくれないか。僕は誰にも必要とされない。ならば生きていても仕方ない。苦しいだけなら死んだほうがいい。いや死ぬべきだ。もはや先生は仲間だと思えないだろう。味方だとは思えるだろうか。いずれにせよ今までと同じように先生を見ることはできそうにない。先入観が常につきまとう。先生はもう僕とは違う。幸せな人に何を言われても心に響くことはない。先生も苦しんでいる。それが大前提だった。すべてはそこから始まっている。先生は変わらない。だけど僕は変わらなければならない。最悪なタイミング。僕にはもう先生はいない。僕には誰もいない。僕はひとり。


しばらくは先生のことを考えたくない。つらいから。泣きたくなるから。これから何を支えに生きていけばよいのか。どうせ死ぬのだからどうでもいい。死は苦しみからの解放。死は救済。死を支えに生きていくしかない。悲しい。あまりに悲しい生き方だね。先生は幸せなの?幸せなのに苦しいの?僕には分からない。そこまで干渉したくないし、興味もない。おめでとうとは言えない。言えるはずがないじゃないか。もうそろそろ限界かも知れない。僕の人生もようやく終わりが見えてきた気がしている。苦しみから解放されるんだ。すべてを終わりにしたい。生きる理由がなくなったんだ。


人の妻になっただけだ。ただそれだけのこと。僕も幸せになれたらいいのだが、それは難しいというか無理。何もかも疲れた。一度すべてをリセットしないといけない。


僕が勝手に思い込んでいただけなんだ。誰が悪い訳じゃない。僕のなかの先生と、現実の先生とが違っていた。いつからそうなったのかは分からない。僕にとっては残酷な現実を突き付けられた思いがした。僕は変わらざるを得ない。先生の存在を考え直さないといけない。


心の支えを失った。心のなかが空っぽになった感じ。放心状態に近い。前提が崩れたのだから当然のこと。


先生もひとりで苦しんでいる。僕と同じように苦しんでいる。そう思っていた。僕が自分で勝手に思い込んでいた。


一周したらどうでもよくなってきた気がしないでもない。疲れていて考える余裕がないんだ。人妻でも楽しくお話できればいいよ。少し嫉妬のような気持ちがあるのは、僕に先生のファンである部分があったという証拠だろうか。僕も幸せになりたいな。はぁ…


先生という存在が小さくなっていく。僕のなかであんなに大きかったのに、何だか夢が醒めたみたいにしぼんでしまったのです。納得はできない。先生のことを考えていると、仕事のことを考えずに済むので都合がよい。たぶん夢に先生が出てきそうな予感がする。変わりたくない。変わって欲しくない。いつまでもこのままでいたかったのに。疲れたのでそろそろ寝ます。僕はどうしたらいい?今まで通り先生とのお話を楽しむことができるのだろうか。それは僕次第か…何かいいことないかな。これ以上追い詰められたら死んでしまいそうだ。もう生きる理由がないのだから。


ファンというより、依存しているから単純に独り占めされたくない気持ちが強いのかも。あー。今日も楽しいお話ができると思ったのに。何でこんなに悩まなければいけないのか。つまらない。ひとりはつまらない。いっそこのまま死んでしまいたい。