妄想と記憶

人生にくじける孤独な妄想と記憶

先生に対して一緒に苦しんで欲しい気持ちと、苦しまないように助けてあげたい気持ち。僕のなかで矛盾した気持ちがある。


先生が苦しんでいるから助けてあげたい。先生が苦しんでいるから役に立ちたい。先生が苦しんでいることが前提なんだ。


先生は苦しんでいなければいけない。苦しんでいるひとたちの気持ちが分からなくなるから。今までずっと苦しんでいても、一度幸せになったら忘れてしまうんだ。


人妻でもいいじゃん。どうでもいいよ。そんなの関係ない。友達みたいに楽しくお話して癒されたらそれでいい。すべてに対して開き直りの気持ちが出てきた気がしている。長くは続かないと思うけど。きっと近いうちに泣いてしまうだろう。だけど少しずつ僕は変わっている感じがする。前向きな開き直り。


主婦と目が合う。


これで先生の苦しみが終わった訳ではない。僕が助けてあげる。いつでも僕は先生の味方。どんなことがあっても、それは変わらない。僕が死ぬまで苦しむのだとしても、僕は先生の役に立ちたい。先生に必要とされたい。先生に信頼されたい。


やっぱり泣きたい。


仕事と洗濯があるとこの時間が精一杯だね。平日はストイックに。先生への想いは行ったり来たり。落ち着いたと思ったら揺れ動く。時間が必要なんだ。例えば今までなら、今日は診療日だから先生はがんばっている。だから僕もお揃いでがんばろう。そんな風に思えた。だけど今はそんな考えにはならない。僕と同じように苦しんでいるとは思えないから。誰かと一緒にいる先生を想像すると気が狂いそうになる。胸が苦しくてたまらない。嫉妬なのか。誰に?先生のこと以外はちっぽけに思える。先生のことばかり考えている。生きる理由をなくした。心の支えが欲しい。


どうせ死ぬからどうでもいい。どうせ死ぬなら今すぐ死にたいと思う。結局明日も無理をする。何故?もう先生とお揃いになれないのに。先生とお揃いの苦しみはなくした。先生とお揃いの楽しみはまだあるだろうか。