妄想と記憶

人生にくじける孤独な妄想と記憶

形跡4


雨から逃れることは叶わなかった。幸い風も雨も強くない。北風が冷たくて寒い。アウターはまだ早いと思い、ストールを巻いてきた。鬱陶しい雨もそれほど気にならなかった。今日は先生に会える。神経質にならなければ、大抵のことはどうでもよいと思える。どうせ死ぬのだから。それで気持ちが少しでも楽になれば、この世の生きづらさを緩和できる。今日は先生に会える。それに尽きる。


うまくいった。やはり身体が冷える。まだ小雨がパラついている。いつものカフェに行く頃には回復しているだろうか。限られた時間を楽しみたい。楽しんで癒されたい。