妄想と記憶

人生にくじける孤独な妄想と記憶

形跡4。首をかいたのは知っていた。アラームをセットし直して10分遅く起きた。今日は先生に会える。


思ったより早く雨が降り出した。まだ小雨だったので、傘はささずに歩きました。早めにアパートを出て、屋根のあるバス停の中でバスを待つ。不便だけど仕方ない。今日は先生に会える。そのために街に向かう。いつものカフェでひとりランチをする。休みの日はストイックな食事制限を解除して、好きなものを食べて癒される。一週間がんばった自分へのごほうび。


サービスエリアのドトールでカフェラテ。体を温める。一瞬お菓子を買おうかと思ったけど、ひとりランチを楽しむために空腹のままでいることにした 。粗悪なお菓子は休みの日でも避けたい。ひどく疲れている。ゆっくり休んで癒されたい。まったり過ごして癒されたい。


最近はLUPINOにはまっている。川本真琴になる前の川本和代。たった4曲だけだけど、何度もリピートしてしまう。ベスト盤を買った当時はあまり好きでなかったのに、久しぶりに聴いたら不思議に楽しめている。ちょっとハスキーな歌声。早退で聴ける声だと思う。


クリニック→いつものカフェ。クロワッサンとブリオッシュとじゃがいものスープとアマンディーヌとラテでひとりランチ。遅い時間なのに意外と混んでいる。いつもの席でまったり。
先生とかなりの時間お話した。先生もいろいろ考えてくれていた。僕のことを心配してくれたことがうれしかった。信頼関係は修復された。モヤモヤした気持ちがすっきりした感じ。また元に戻れた。本当によかった。これで僕はこれからも闘い続けることができる。先生を支えにして生きてゆける。僕はひとりじゃない。僕には先生がいる。


先生はまだ引っかかることがあるみたいだった。今日はあえて触れないと言った。僕にも大体わかる気がする。それは追い追い少しずつ話していけばいいと思う。完璧なものなんてない。だから先生と僕との信頼関係も揺らいだ。人間対人間としての関係。精神科医と患者の関係に収まらない。変わった医者と変わった患者の変わった関係。僕にとって一番大切なもの。絶対になくしたくない、ずっと守り続けていきたい宝物。


はぁ…すげー疲れた。本当に疲れた。休もう。心も身体も癒されよう。家に帰ったらまったり過ごす。幸い傘をささずに済んだ。何をしようか。時間はあまりないけれど、まだ休みの時間は終わらない。だらだらと怠けるよりずっといい。限られたなかでどれだけ楽しめるか。


最後に余談だと言いながら、先生は自分のことを話してくれた。あれはどう解釈したらいいのだろう。僕とお話したことで癒されたのだとしたらうれしい。午前中はボロボロだったと言っていた。僕にも先生に対して引っかかることがある。次に先生に会える日まで、僕はちゃんとがんばるよ。闘い続けてみせる。それできっとまたよい報告ができる。先生の涙を見たのは何度目だろうか。